ソヴィエト連邦崩壊から25年たった今でも、ジョージア国民の大勢が資本主義になじめないでいる。ジョージアの首都トビリシの外れに建つ打ち捨てられたソヴィエト軍病院には、仕事もなく、住宅賃貸もできない150家族が暮らしている。90年代前半のアブハジア戦争難民たちは、過去20年、7階建の廃病院をシェルターとして利用してきた。行政当局は廃病院に全く関心を示さないが、唯一、当局が関心を示すのは、住人たちが即席で工事した剥き出しのワイヤーとパイプを通して不正使用する、電気と水道を停止するタイミングだ。現代ジョージア社会は、街じゅうに散在するソヴィエト時代の建造物を意図的に、眼前で崩壊するままに放置し、過去を忘れようとしている。写真家のジェイコブ・ボーデンは、ジョージアの衰退と退廃をドキュメントした。