ゴミ処分場は人間が出すゴミを管理するためにつくられたはずだが、今や、我々がゴミを大量に出している事実の証明ともなっている。たとえばインドネシア西ジャワ州のバンタルグバン(Bantar Gebang)地区。首都ジャカルタとその周辺エリアのゴミが集積される処分場があるこの地区は、東南アジア最大の屋外ゴミ処分場とされている。
ここでは80ヘクタールの面積に3900万トンのゴミが集積されており、ゴミ山の高さは40メートルにも及ぶ。この地区には10万人の住民が暮らすが、彼らの多くは〈掃除人〉として、ゴミのなかを歩き回ってプラスチックなどお金になる素材を探している。
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彼ら掃除人の日々の生活を想像するのは難しい。そんな彼らの素の姿を収めた写真を撮影しているのが写真家のトム・バーンズ(Tom Barnes)だ。彼は今年10月、バンタルグバンと、バリ島のスワン(Suwung)、そしてジョグジャカルタのピユンガン(Piyungan)のゴミ処分場を訪ねた。
バーンズがバンタルグバンで出会った掃除人たちは、防護具などを身につけず、処分場のなかで暮らし、食事をしていた。また、高い気温のなかでゴミから発生する悪臭や煙などを防ぐためのマスクなどもつけていなかった。
彼らはゴミの山のなかを、素手で作業しながらプラスチックなどお金になる素材を探す。しかし、集めた素材は1キロあたり6000ルピア(約50円)ほどにしかならない。
処分場は24時間稼働しているので、多くの掃除人が夜まで働いて帰宅する。彼らが暮らす家は、ゴミ山からかき集めた木材で建てた。
ピユンガンには多くの牛が飼育されているが、牛も大量のプラスチックゴミを食べている。そしてその肉はジョグジャカルタなどの街に売られ、街の住民たちは、プラスチックゴミを食べた牛だと知らぬままその肉を口にする。
2018年の『Jakarta Post』の記事によると、バンタルグバンのゴミ処分場はすでにほぼ一杯となっているため、2021年までにジャカルタのゴミを処分するための新たな場所が必要だ、とのことだ。
This article originally appeared on VICE ASIA.