〈アスリートの深層〉を探る、VICE音声ドキュメンタリーが配信開始

MC MAMUSHIをホストに迎え、前田 健太選手や渡辺 雄太選手、髙橋 藍選手など、世界で活躍している日本人アスリート16人のキャリアや人生の転機について掘り下げていく。2023年10月9日よりAthlete's Mindが、Audibleよりリリースされる。
前田健太 角田裕毅 二木あい 渡邊雄太 ケント・モリ 西村碧莉 遠藤航 中村輪夢 ラーズ・ヌートバー ラーズ・ヌートバー 渡辺華奈 髙橋藍 オコエ桃仁花 木村和士 平良達郎 川島永嗣 ポッドキャスト ラジオ インタビュー

Athlete's Mind(アスリーツ・マインド)は、従来のラジオ番組とは異なる目線でグローバルに活躍する日本人アスリートたちと、NBAのMCをこなした経験もあるMC MAMUSHIとの対談を通して、普段は聴けないような熱い想いと知られざるストーリーにスポットライトを当てていきます。テーマは、メンタル(精神面)の保ち方、パフォーマンスを発揮するための日々の努力、海外生活におけるチャレンジや課題、そして乗り越えるためのヒントなどに迫ります。また、子供時代のエピソードや、プライベートの一面も深堀していきますので、ここでしか聴けないゲストの素顔もお楽しみください。

オーディオブックやポッドキャストが聴ける世界最大級の配信サービス、Amazon・Audible(オーディブル)にて2023年10月9日(月)より全16話、順次公開される。

──まず初めに、MAMUSHIさんの経歴やこれまでの背景について教えてください。

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マムシはもちろん芸名で、東京都出身の1983年生まれです。バスケ少年をゴリゴリにやっていたのに、武蔵野美術大学とかに入っちゃって。その部活の新入生歓迎飲み会でガンガン飲んだあげく、先輩たちにかなり偉そうに講釈を垂れてたらしく、翌日から「口も悪いし酒も飲むし、あと毒蝮のインスパイアでマムシだ」っていうことでこの名前になりました。実は自分から言い出した名前じゃないんです。

僕はバスケからスポーツの世界に入っています。大学に通ってるぐらいの時にちょうど日本でストリートバスケが盛り上がりそうなコミュニティがあって、そこに突っ込んで行きました。

ここ何年かだと、2022年にさいたまスーパーアリーナで行われた、NBAジャパンゲームズのMCを担当しました。バスケのMC以外にも、ストリートスポーツとかエクストリームスポーツ系のジャンルのMCや司会者をしています。

──アスリートの心理面について、今まで日本のポッドキャストではあまり掘り下げられていないトピックだったと思いますが、このコンセプトの最初の印象はいかがでしたか?

まず最初、VICE(ヴァイス)がつくるっていうのでグッときてて。なんせ学生時代から好きだったVICEと仕事ができる日が来るなんて。

皆さんのインタビューとか、色々なところで見てきたけど、検索してよく目にするものって綺麗なインタビューですよね。そのひとがどういうキャラで、どういう性格なのかとかってあんまり見えてこないことが多いじゃないですか。僕が引き受ける上で興味を持ったのは、VICEがそのひとのコアの部分だったりメンタリティに着目していたところでした。

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MC MAMUSHI PHOTO: SHAWN WOODY MOTOYOSHI

──番組のMCとしてどのような心構えで進めていきましたか?

僕が目指してたのは、リスナー目線でありたいと思ってたんですよ。ていうのも、競技に寄った話は、競技のことを深く知っていないとあんまり面白くないんじゃないかなと。さっきも話したように、僕はそのひとがどういうひとで、どういう気持ちでやってきてるのかを知りたくて。

アスリートのこととか競技のこととか、最低限の情報はもちろん頭に入れてたけど、敢えてあんまり勉強しすぎないで、話の中でなんでそう思ったのか、どう頑張れたのか、その時何が大事だったのかとか、子供が大人に質問するように聞きたいなと思ってました。

──番組収録の雰囲気などはどうでしたか?

いい意味でVICEっぽいっていうか。僕がやりたいこととか、こういう質問入れたいっていうのも、ほぼ全部受け入れてくれたし任せてくれたんですよね。もしかしたら、不安になっちゃうMCとかインタビュアーのひともいるかもしれないけど、僕は任せてくれた方がやり易かった。だから結構、リラックスした感じでやれた。いざ始まったら自分の責任だから、かなりプレッシャーはあったものの、やり易いようにチームの皆さんがかなりサポートしてくれた気がします。

──番組内では対談を通して、トップアスリートたちの心理にいち早く飛び込む場面が多かったと思いますが、難しかったところはありますか?

1つ聞けば、ゲストの皆さんもプロなので2でも3でも4でも5でも答えてくれて、むちゃくちゃスムーズに進められました。やっぱり普段からそういうことを考えているし、マインドを大事にしてるから、ポンポンポンポンと進められた。あとはあんまり皆さんが普段受けてるようなインタビューみたいな感じにはしたくないなと思ってましたね。

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ちょっと友達になりたいって言うとtoo muchかもしれないけど、どっかの待合所でたまたま会って話を聞きましたぐらいな感じで聞き出したいなと思ってました。

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MC MAMUSHI PHOTO: SHAWN WOODY MOTOYOSHI

──印象に残っているエピソードはありますか?

一番最初の収録がプロ野球選手のマエケンさんだったんですよ。メジャーリーガーピッチャー 前田 健太 選手。いきなりメジャーリーガー!みたいな。そんな感じで今回の番組の収録が始まって、2人目はダンサーのケント・モリ。彼はストリートエッセンスも入ってるひとだから、割とバイブスが合うと思ってました。こういうストリートのエッセンスが入ってるひとも、16人のアスリートのうちの一人に入ってるっていうのもすごい印象的だった。

あと僕がバスケのひとでもあるので、エピソード4と12で渡邊雄太 選手とオコエ桃仁花 選手に話を聞けたのはアツかったですね。渡邊雄太 選手に関しては少年みたいに目をキラッキラさせて「NBAってぶっちゃけどんな感じなんですか?」「そんなこと聞く?」っていう質問をしちゃいました。

オコエ桃仁花ちゃんとは収録中、バーっと盛り上がって喋ってたんですけど、いざ収録が終わって桃仁花ちゃんが「ありがとうございました。モグラさん」と。あんなに盛り上がって喋ってたのに僕のことをずっと〈モグラさん〉だと思ってたらしくて(笑)収録には入ってないですがこれも印象的でした(笑)

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MC MAMUSHI PHOTO: SHAWN WOODY MOTOYOSHI

──番組からどんなインスピレーションを得ましたか?

何かを成し得てる、しかもその成し得てるレベルがえげつないゲストの皆さんたちだったじゃないですか。なのでどんな気持ちでとか、マインドでそこに到達したのか、仕事じゃなくてもすごく個人的に興味があったんです。それを今回、全員分聞かせてもらったんですけど、誰もが子供の頃から言われてきた「目標を設定して、1個1個積み上げていくんですよ」って。結局は自分が設定したことに自分の足で到達するんですって。それがシンプルで印象深かったです。

自分が育ってきた環境と今活躍している場所のギャップがむちゃくちゃあるひともいただろうし。それでもぶれないでコツコツやってるんだって。あとはストレスの乗り越え方とか、そのひとの個性が出ている話が聞けて面白かったです。

──番組でリスナーが何か教訓にできることはあると思いますか?

このMCとして立ち会った僕の願いとしては、今回の番組から何か一つのエピソードでも、自分を投影できるような感じになってほしいなとは思いますね。このひとのこういうエピソードが今の自分の悩みと似てるかも、とか。多分いくつかエピソードを聞いてみれば何となくヒットするエピソードがあると思うんですよね。悩みとか、課題とか、人生の壁なんて、アスリートの彼らにももちろんあるし、僕らにも当然あって、そういうときにどういう心持ちでいるかが大事じゃないですか。番組きっかけで次へ踏み出す一歩がポジティブな一歩になってくれると、もう万歳って感じです。

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MC MAMUSHI PHOTO: SHAWN WOODY MOTOYOSHI

──番組の中から最後の質問の一節を引用して、「人生の困難を乗り越えようとしているリスナーに、MAMUSHIさんが伝えたいメッセージやアドバイス」をお願いします。

当然、困難に直面するときはみんなありますからね。超えられたらいいですけど、難しいときもあるじゃないですか。でもそういうときに自分らしい決断とか、自分らしいアプローチ・道筋とかっていうのを歩んでいきたいって思う。ゲストのトークを聞いてても、よりそう思いました。今は世の中で成功してるひとたちのやり方とか、いろんな方法がキャッチできると思うんですけど、それを試して失敗しても、納得いかないでしょ。すげえ月並みな回答になっちゃって申し訳ないんですけど、大変な気持ちはあるけど、自分らしく楽しくやっていくのがやっぱ何よりいいですし、そういう時間が人生の大半を占めることが幸せであるんだろうなと思います。

──最後に、番組への期待などがあればお聞かせください。

アンダーカテゴリー、いわゆる18歳以下とか15歳以下とかのガキンチョたちにたくさんこの番組を聴いてほしいですね。

そしてシーズン2はいつやりますか!(笑)っていうのが一つ。あとは動画コンテンツ。ゲストの皆さんは絵になるし、彼らが動いて喋ってるのとかもっと見せたい。彼らの表情とかも、身の振り方とかも個性があったんで、動画もいいと思います。全国行脚トークショーとかもやりたいですね。