職場で大麻を吸う方法

勤務時間中にオフィスでハイになることは、いまだにタブー視されている。でも、コツと品種の選び方さえ心得ていれば、すばらしい効果をもたらしてくれるはずだ。
Katie Way
Brooklyn, US
NO
translated by Nozomi Otaki
A full cannabis pipe wafts smoke over an office floor
Image by Cathryn Virginia | Photos from Getty

正直に認めよう。仕事は最悪だ。退屈だし、同じことの繰り返しで、そのうえ逃れられない義務でもある。その義務を少しでもマシにするものといえば? 事前にほんの少しだけ大麻を吸っておくことだ。誰でも一度は考えたことがあるだろう。

でもケイティ、あなたの職場はVICEでしょ! 出勤初日、健康保険やら〈人事部〉の意味やらの説明を受けるときに専用のボング(水パイプ)をもらえる会社だ。それでも職場で自由に大麻を吸うわけにはいかないの?

子ども相手や、ドラッグテストや車の運転が必要な仕事でなければ、吸ってもいいはず! 実際、日常的に吸っているひとも多い。なぜなら大麻は集中力を向上させ、より親しみやすくクリエイティブな会社員になれるからだ。痛み、吐き気、不安なども和らげてくれる。メリットを挙げればきりがない。

では、その人たちは一体どうやってハイになりながら隔週で給料をもらっているのか? すべてはタイムカードを押す前に自分が吸う品種を厳選するところから始まる。

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ロリーナ・カップケーキは元マリファナ調剤師で、現在は大麻のマーケティングに携わり、大麻関連のオンラインプラットフォームWeedMapsで〈Ask a Budtender〉というコラムを書いている。「たとえ大麻業界で働いていても、ハイになり目を真っ赤にしてドリトスの袋を抱えながら重要なミーティングに出たりはしません」とロリーナはVICEに語った。「でも、大麻を吸えば皆そうなるとは限りません。私自身、自分がハイになりながら頭を働かせ、やるべきことをやれる人間だということを知っています」

THC(テトラヒドロカンナビノール)やCBD(カンナビジオール)について知っているひとは多いだろうが、 SFW(safe for work:職場でも安全)な品種を選ぶさいは、大麻に独特の香りを与える有機化合物のテルペン、もしくは業界の専門用語でいえば〈ブーケ〉について、少しリサーチが必要だ。「(テルペンは)THCやCBDと同様、私たちがカンナビノイド(大麻に含まれる生理活性物質の総称)から受ける作用にかなりの影響や変化を与えます」。つまり、テルペンはTHCやCBDの含有量に加え、その品種が自分に与えうる影響をより正確に判断する指標になるということだ。

ロリーナは、2種類のテルペンを多く含む品種を勧めた。それはピネン(α-ピネンを含む)とリモネンだ。「ピネンはトウヒを思わせるエバーグリーンの香りが特徴で、Northern LightsやJack Hererなど、深い森のような香りがする品種に含まれます。ピネンには注意力や集中力を高める効果があります」とロリーナは説明する。「リモネンは粉末レモネードに似ていて、カントリータイム・レモネードの袋を開けたときのように、強い香りが顔を直撃します。気持ちが落ち込んだり、疲れを感じているひとには、気分を上げるためにリモネンが多く含まれる品種をおすすめします」

ロリーナによれば、Tangie、Durban Poison、Super Lemon Haze、Clementineのような品種はいずれも生産性を劇的に向上させるという。しかし、デメリットもある。「レモンサティバ種の注意点は、不安を引き起こす可能性があることです。不安な気持ちが膨れ上がり、その渦に巻き込まれ、あれこれ考えすぎてしまう……。勤務中にそんなふうにはなりたくありません」

仕事の前に吸うものを探すさい、絶対に避けるべきはミルセンを多く含む品種だ、とロリーナは強調する。「ほとんどの品種の検査結果に出てくる成分ですが、ミルセンを多く含む品種はフルーティで、スパイシーで、マンゴーのような香りがする傾向にあります。これらの品種は倦怠感を引き起こし、目の前のタスクへの集中力を低下させます」

さらに、もうひとつ落とし穴がある。「生産性を劇的に高める効果があると謳っている、テルペンを多く含む大麻を見つけ、それを吸って実際に生産性が向上したとします。でも、それを密閉容器で保存しなかったり、直射日光に当ててしまうと、カンナビノイドやテルペンが激減します。テルペンは揮発性が高く、もし蒸発してしまったら、効果を得られなくなります。効能がなくなるだけでなく、THCが分解されてCBNになります」。CBNは、一部の専門家が眠気を招くと指摘するカンナビノイドだ。「8ヶ月が過ぎれば、仕事に最適な大麻とはいえなくなるでしょう」

結局のところ、大麻に慣れていない、もしくはプレッシャーを感じているときに大麻を吸ったら自分がどうなるかわからないという場合は、大麻と仕事を一緒にしないほうがいいだろう。でも、もしうっかりハイになり過ぎてしまったなら、吐き気がするから今日はもう休みたいと伝えればそれでいい。健闘を祈る!