アニメの世界には驚異的なパワーをもつメインキャラクターが数多く存在する。どれほど追い詰められようと、目の前の壁を文字どおりすべて乗り越えて行くアツい主人公の物語。それは、特に少年マンガ・アニメにおいて充分に試験され証明されたひとつの公式である。つまり、この世には〈史上最強〉と謳われるキャラクターが山ほどいるということだ。
しかし、すべてのメインキャラクターが目の前の壁を乗り越えられるとしたら、全アニメ界のバトルロワイヤルで勝者となるのは誰なのか?
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もちろん決定的な答えを出せる人間はいないが、それでも考えてみようではないか。これも科学の発展のためだ。アニメファンたちに、この難解な問いに答えてもらった。
注意:この先ネタバレあり!
『ワンパンマン』のサイタマ
「『ドラゴンボール』の悟空を選びたいところだけど、史上最強のアニメキャラといえばサイタマなんじゃないかな。キャラの誕生からあらゆる戦いにおいて、サイタマは一滴たりとも汗をかかない」— ジョシュア・ザモーラ 24歳
「汗もかかずに敵を倒してしまうから」— アントン・ホンラド 32歳
「僕にとって、というか多くのひとが賛同してくれると思うけど、史上最強のアニメキャラは『ワンパンマン』のサイタマだね。信じられないほどの力をもったヒーローで、どんな敵でも一撃で倒してしまう。誰も彼を倒せないし、まともなダメージを与えることすらできない。彼の見た目は平凡で、僕らが慣れ親しんでいるスーパーヒーローとは真逆を行くスタイルだ。それでも、本気を出すこともなく1発のパンチだけで絶滅レベルの脅威を消し去ることができるんだから面白いよね。おそらくどんなアニメのヒーローもかなわないんじゃないかな。悟空でもね」— ラファエル・バニコ 24歳
「『ワンピース』のルフィとか、『BLEACH』の一護、『ドラゴンボール』の悟空みたいな少年マンガの主人公とは違って、サイタマには変わった能力があるわけじゃない。彼の能力は、一撃で敵を戦闘不能にさせること。本気度によっては死に至らしめることができる。ボロスやガロウのような、サイタマのパンチを受け止められる力をもった宇宙規模の強敵相手でもそれは変わらない。あまりに威力が強いから、最強の敵でもたった一撃で重傷を負うことになる」— ジョセフ・ラファエル・L・ペレス 22歳
「『ワンパンマン』の作者が生み出したのは、初っ端から全能のキャラクター。不屈の精神があるとか、犠牲を払えるとかではなく、とにかく地球上で最強、という設定。一般的な少年マンガ・アニメでは、メインキャラクターが脅威に相対して、自らの能力の限界を超え、さらに強い敵が現れ……というサイクルが続くわけだけど、『ワンパンマン』は違う。主人公のサイタマを中心に、もしかしたらサイタマも今回は勝てないんじゃ、と読者や視聴者に思わせる状況を作って世界を盛り上げている。でもサイタマの一撃で決着がつくことはみんなわかってるんだ。このジャンルの自己認識とそれにまつわるメタナラティブで、『ワンパンマン』はこの点を無効化してる」— フォレスト・カンデラリア 29歳
『呪術廻戦』の五条悟
「彼の能力は、空間の絶対的な支配。だから敵の攻撃は彼に当たらない。敵は、五条との間にある無限の空間を攻撃することしかできないんだ」— マーティン・アブランザ 25歳
「難しい質問だね。あまりに多くのアニメシリーズが存在しているから、コンテキストによっても、強さをどう定義するかによってもランキングは変わる。私にとっての強さは知力と腕力。そう考えると、『呪術廻戦』の五条悟かな。戦略的で聡く、必要なときには狡猾にも非情にもなれる。〈六眼〉をもつ〈無下限呪術〉の使い手で、最強の呪術師。遠距離でも至近距離でも、敵を文字どおり叩き潰すことができる。かつて死にかけたけど反転術式で生き返ることに成功した。個人的には彼の性格は好きじゃないけど、強さは桁違いだと思う」— パム・ルーバー 29歳
『呪術廻戦』の両面宿儺
「宿儺には確かな実績があるし、呪いの王として君臨してる。呪いの王だから、五条よりも強いはず」— エリック 31歳
『ドラゴンボール』の孫悟空
「悟空は死なない。死んでも、もっと強くなる。惑星を粉々にすることもできるし」— ハンス・ネイティビダッド 25歳
「正直なところ悟空を選んだのは、彼と一緒に育ってきて、特別な思い入れがあるからだよ」— マシュー・ユヒコ 28歳
『転生したらスライムだった件』のリムル=テンペスト
「リムルは相手を喰らってスキルをコピーできる。チートすぎるよ! しかも獲得したスキルは失われないし」— ピオ・ドゥマヤス 26歳
『モブサイコ100』の霊幻新隆
「別に能力はもっていないのに、なんだかんだで危機的状況も生き残る。しかも、どんな戦いでも出まかせでどうにか切り抜けてしまう。もちろんモブも強いけど、霊幻がいなければ今のモブにはなっていないから」— キラナ 30歳
『HELLSING』のアーカード
「シリーズ初期のアーカードの能力はシンプルだった。怪力、スピード、吸血鬼としての不死性。彼が使用する武器は大口径の2丁拳銃で、吸血鬼の命を奪える銃弾を撃つ。でもアーカードの真の力は、敵の血をすすることで体内に取り込み、隷属させること。忘れられないのは、戦闘中にワラキア公国軍とオスマン帝国軍を召喚したシーンかな。これはネタバレになるけど、自分の意志で存在することもしないこともできる能力をもつ敵を取り込んだことで、アーカードは消滅し〈死んだ〉と思われた。だけど最終的に彼は戻ってきた。しかも不死性はもちろん、自らの存在も完璧に掌握できるようになってる。自分が行きたい場所に出没できるようになった」— EA・アギーレ 30歳
インタビュー内容は長さや読みやすさの調整のため編集されています。
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