アフリカ
コンゴ民主共和国イトゥリ州で起きた殺戮の生存者たち
時として、記者が成し得る最善の行動は、身を引き、みんなに、各々のストーリーを各々の言葉で語ってもらうことだ。もちろん、この7名が総勢300名以上の取材対象を代表することはできない。しかし、いずれも、たくさんの生き残った仲間たちが直面した暴力と苦難の証言である。 ― ニック・タース
コンゴ民主共和国を襲った沈黙の殺戮
コンゴ民主共和国のイトゥリ州ジュグ地区を襲い、同地区の住民数十万人を苦しめた不可解な暴力は、2017年12月に始まった。ときには1日数件のペースで、パンガ、斧、弓、槍で武装した男たちによって、次々と村々が襲われた。国連によると、被害に遭った村は全部で約120。数百もの住民が殺され、数千もの家屋が破壊された。
長き内戦の記憶を覆すソマリアのビーチでの美しい写真
2017年10月14日、東アフリカのソマリアで230人以上が死亡した爆破事件が起きた。ソマリアは1980年初頭からモハメド・シアド・バーレ大統領の一党独裁政権に対する、反政府勢力の活動が激化して以降、内戦が続いている。昨今は、イスラム過激派のアル・シャバブなどのテロ攻撃が相次いでいる。一方でソマリアが持つ美しい海岸や、そこで暮らす人々の日常は、全くといっていいほど知られていない。
ナイジェリア北部で500万人を 飢餓に追い込んだボコ・ハラム
2009年、武装蜂起したボコ・ハラムはボルノ州一帯を支配し、その後、隣国のチャド、ニジェールに進攻した。2015年、ナイジェリア政府は、同国北部で軍事作戦を激化させたため、食料、医療、交易を含めたあらゆる面で、同地域の住民数百万人が孤立してしまった。徐々に明らかになる惨状に、現地入りした人道支援組織は驚いている。
チャド共和国とボコ・ハラムの闘い
ナイジェリアで組織されたボコ・ハラムは、混乱するアフリカ諸国で活動を拡げている。2015年11月、チャド政府は、ボコ・ハラムの襲撃が続くチャド湖畔一帯の非常事態を宣言した。ボコ・ハラムの脅威に晒されているのは、ナイジェリアと境を接する湖畔だけでない。昨年6月には、首都ンジャナメの2箇所で、ボコ・ハラムによる自爆テロが起きた。
ルワンダのシンドラーは魔女
娘は毒を盛られて死んだんだ。みんな私のことを笑うよ。『お前は赤の他人をかくまってるのに、自分の子供たちは殺されたじゃないか』って。私は言い返してやるんだ、『死に様は人それぞれ。それは神のみぞ知るところだ』とね。